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山彦 ピアノ用ピックアップPiano

  • ピアノの周囲の音に対する感度が非常に低く、PAにおけるハウリングマージンが高い
  • 取付け取外しが簡単、短時間、しかもマイクスタンド不要で見た目もすっきり
  • 取付けに接着材や両面粘着テープなどは一切使用せず、取付けた痕跡をほとんど残しません
  • グランドピアノにもアップライトピアノにも取付け可能
  • フォースモードピックアップシステム(FMPS)の採用により高音質、ローノイズ
  • カブリが非常に少なくイコライズ時に幅広いブースト、カットが可能
  • 安定した取付け構造なので、長時間安定した高音質をキープ、常設も可能
  • 複数のピックアップを用いることによりステレオ感が得られます
  • 完全シールドによるローノイズ設計
  • 耐震コネクタと耐震ローノイズケーブルを使用し、振動によるノイズの混入を防止
  • 音質最優先設計のプロ用ピアノピックアップ
CPS-PF1 取扱説明書(Ser.30840以降の製品) CPS-PF1 取扱説明書(Ser.30839以前の製品)

ナチュラルな音質

従来のいわゆるアタッチメントの音とは全く異なり、マイクロホンに勝るとも劣らないナチュラルな音質を持った、SRからレコーディングまで幅広く使用できるピックアップです。
抜けの良いすっきりとした音色を持つSRモデルと、フラットで重厚な音色を持つレコーディングモデルを用意しました。
ご要望に応えて、SR、レコーディング、両モデルを切り替えて使用できる音色切替モデルもご用意しました。

高い信頼性・耐久性

既に多くのプロエンジニアの方によるテストが繰り返され、改良を重ねてまいりました。
ほぼ毎日演奏されるライブハウスのピアノでの一年以上にわたるハードな使用でも、安定した音質をキープし高い評価を頂いております。

多くのメリット

他の音のカブリが最小限にでき、ハウリングマージンやイコライジングの自由度も向上します。
ミュージシャンからのモニター音質に対する要求にも対応しやすく、エンジニアの音表現の幅も格段に広がります。

レコーディングモデルとSRモデルの比較

YAMAHIKOユーザーの磯村さんの演奏です。
詳細はこちらをご覧ください。

  • SRモデル

  • レコーディングモデル

カブリのデモサンプル音(レコーディングモデル使用)

カブリが非常に少ないのがわかると思います。
YAMAHIKOが常設されているライブハウス横浜エアジンでのVale Tudoの演奏です。
詳細はこちらをご覧ください。

  • トータルサウンド

  • ピアノトラック

これらのサンプル音はピックアップからBOSS DI-1ダイレクトボックスを使用 してDATに録音したものです。
2つのピックアップの音をそのままステレオのLR(L:低音側、R:高音側)に入れてありますので、それぞれのピックアップの音を分離して聞くこともできますが、通常のCDのようにステレオで聞くと違和感があるかも知れません。
通常は低音側と高音側を適度にミックスして用います。
その辺をご理解の上ご試聴下さい。
ピックアップの取付け位置は概ねこんな感じです。

全く新しい概念「フォースモードピックアップシステム(FMPS)」を導入

ピアノ用コンタクトピックアップはハウリングマージンの改善や音の「カブリ」を低減させるために非常に便利なものです。
しかし、今まであった多くのピアノ用コンタクトピックアップは次のような問題を持っていました。

  1. 音色に癖がある。
  2. 音色が安定しない。
  3. 接着材や両面粘着テープなどにより取付けるものは、ピアノに取り付けた痕跡が残る。
  4. 同様に取外し時にサウンドボードのニスや木材を傷つける恐れがある。
  5. 取付け取外しを繰り返すとピックアップが壊れてしまう。

このような問題を解決するために全く新しい概念「フォースモードピックアップシステム(FMPS)」を導入することにより、プロの現場での使用に十分耐えるピアノ用コンタクトピックアップを開発することができました。

フォースモードピックアップシステム(FMPS)とは

今までの多くの楽器用ピックアップが加速度型ピックアップにより、楽器の発音部の振動加速度を電気信号として出力していたのに対して、このピアノ用コンタクトピックアップシステムのピックアップ部は、ピアノの発音源の一つであるサウンドボードとその傍に位置するブレースやバックポストなどの振動しにくい部材の間にピックアップ部をはさみこむ様に取付けることにより、サウンドボードとブレースまたはバックポストの間に発生する振動力(Force)を電気信号に変換し出力する、フォースモードピックアップシステム(FMPS)の採用により、癖の少ない安定した音色が得られます。
多少のイコライジングとリバーブ処理を行うことによりマイクロホンでの収音に勝るとも劣らない高音質が得られます。

音色のバリエーションとステレオ収音

サウンドボードとブレースやバックポストの間の隙間ならどこにでも取付けが可能で、複数のピックアップを取付けることによりステレオ収音が可能です。
取付ける場所により音色が変化しますので、取付け位置を工夫することにより目的に応じた音色を引き出すことも可能です。
2個から3個のピックアップを使用すれば、ピアノの全音域をカバーするバランスの取れたピアノ音をステレオ収音できます。

ピアノについての予備知識

このピアノ用コンタクトピックアップシステムについて詳しく説明するには、ピアノについての説明を少ししておく必要があります。
ピアノの各部の呼び名は人によって、またピアノメーカーによっても異なる場合があります。
ここではピアノの構造と各部名称について少し説明します。

まずグランドピアノの断面図(Figure-1)をご覧ください。
グランドピアノの場合ピックアップはサウンドボードとブレースの間にはさみこむ様に取付けるので、その周辺の部材の名前を憶えてください。
次にアップライトピアノ(バーティカルピアノ)の断面図(Figure-2)をご覧ください。
アップライトピアノの場合、ピックアップはサウンドボードとバックポストの間に、はさみこむ様に取付けるので、その周辺の部材の名前を憶えてください。

各部の機能Mechanism

各部の名称

このピックアップはグランドピアノおよびアップライトピアノ(バーティカルピアノ)への取付けが可能で、グランドピアノの場合サウンドボードとブレースの間に、アップライトピアノの場合サウンドボードとバックポストの間に取付けます。
ピックアップは次のパーツから構成されています。

  1. サウンドボードに接するコンタクトチップ
  2. 振動力を電気信号に変換するセンサー部
  3. センサー部を支えるベース
  4. 電気信号を忠実に伝達する出力ケーブル

コンタクトチップ

コンタクトチップは半球状のくぼみを持ちセンサー部の半球状の突起にフィットし、振動力を確実にセンサー部に伝達します。
この半球状の角度調節メカニズムがコンタクトチップを無理なくサウンドボードに密着フィットさせ、確実に振動力をセンサー部に導くのと同時にピアノのサウンドボードを傷つけるのを防止します。
コンタクトチップはマグネットを内蔵し、センサー部の半球状の突起に吸着することにより、取付け、取外し作業中にコンタクトチップがセンサー部から分離脱落するのを防いでおり、作業性の向上に寄与しています。

センサー部

センサー部は振動力を忠実に電気信号に変換し出力します。
外周に90゜毎に設けた4個の出力コネクターは内部で並列に接続されてます。
ピックアップの取付け後最も接続しやすい位置にあるコネクターに出力ケーブルを接続すれば良く、ピックアップの取付け作業がスムースに行えます。
またセンサー部は完全シールド構造となっており電磁的ノイズの影響を最小限にとどめます。

出力ケーブル

この出力ケーブルは耐震コネクタと耐震ケーブルの使用により、センサー部の出力信号を振動による電気的ノイズを付加することなくアンプまで運びます。

ベース

ベースは厚さが異なる5種類のもが付属しており、ピックアップを取付ける隙間の寸法により最適な厚さのベースを使用するシステムとなっています。
取付手順の節をご参照ください。

セッティングInstall

標準的な取付位置について

FMPS(フォースモードピックアップシステム)の特性上、サウンドボードのリムに近い部分に取り付けると癖の少ない音が得られます。(下写真参照)
次の写真は4本のブレースを持つグランドピアノに4個のピックアップを取り付けた例で、写真に示したポジション2と4をステレオのLchとRchに割り振ると良好な結果が得られました。
ピックアップはリム内面から10cm程度の位置に取り付けました。
この取付位置はあくまでも標準的なもので、このピックアップを使用する際のスタートラインとお考え下さい。
このピックアップは取り付けるピアノや位置によって収音される音の音色は大きく変わります。
これは、マイクロホンをセットする位置により収音できる音の音色が大きく変化するのと同様です。

このピックアップの基本特性は非常に優れたものですのでマイクロホン同様、ご使用になる方のご使用回数が増す毎にメリットが引き出されるものと確信しております。

ピアノのチューニングや生音に対する影響を最小限にとどめるために、リムから10cm以内に取り付けることを強くお奨めします。
サウンドボード中央部(ブリッジの傍など)に取り付けると、ピアノのピッチが変わってしまうことがありますので、ご注意ください。

取付例

これはピアノの下からピアノのサウンドボードの下面を見上げた写真で、超広角魚眼レンズで撮影したものです。
画像がゆがんでいるのはご容赦ください。

取付手順

この写真はピアノのサウンドボードとブレースまたはバックポストをわかり易い様に模型にして撮影したものです。
製品は改良のため断り無く変更されることがあります。

  1. まず、ピックアップを取付ける場所のサウンドボードとブレースまたはバックポストとの隙間にベースセレクトゲージ(BASE SELECT GAUGE)を差し込み適した厚さのベースを調べます。

  2. 左の写真のようにゲージを隙間に差し込み、適したベースのNo.を読み取ります。
    このようにNo.2の矢印の所にブレースが当ればNo.2のベースが適しています。
    各ベースのNo.はベースに印刷してありますので、すぐわかります。

  3. 選択したベースにセンサー部を取付けます。
    ベースのねじ孔にセンサー部のねじ部をはめ込みます。

    このときベースのネジ山を壊さぬように、ネジ山を合わせてねじ込みす。
    ネジ山が合わぬまま無理矢理ねじ込むとベースのネジが壊れてしまいます。

    センサー部を回して、センサー部の底面がベースに接する様にします。

  4. この状態で準備完了。

  5. 準備したピックアップをピアノのサウンドボードとブレースまたはバックポストとの隙間に挿しこみます。

  6. ピックアップを取付け場所に置いて、センサー部を左に回してコンタクトチップがサウンドボードに軽く接するまでセンサー部を上昇させます。
    ここで一度センサー部を回すのをやめて、センサー部のコネクターがどの位置で止まっているか位置を憶えてください。
    この状態からさらにセンサー部を左に90度=1/4回転して、コンタクトチップがサウンドボードにしっかりと接するようにします。
    コネクターは90度毎に設けられていますのでこれを目印にしてください。

    このときセンサー部を回しすぎるとサウンドボードにダメージを与える可能性があります。
    サウンドボードに過大な力を与えないよう十分注意してください。

  7. そして、出力ケーブルを取付けやすい所の出力コネクターのキャップを外します。
    外したキャップは保管して下さい。

  8. 次に出力ケーブルを接続します。
    ケーブルコネクタ中央のピンをピックアップのコネクタの中心コンタクトに差し込みます。

  9. ケーブルコネクタ外周の固定ねじをしっかり締めて固定します。
    ネジがゆるむとノイズが出たりするのでしっかり締めて下さい。

  10. これで取り付けはすべて完了しました。

仕様Spec

ピアノ用コンタクトピックアップ

グランドピアノ、バーティカルピアノ(アップライトピアノ)に取付け可能
サウンドボードの振動を電気信号に換えて出力する

取付け方法

グランドピアノの場合: ブレースとサウンドボードの間に挟み込む
バーティカルピアノの場合: バックポストとサウンドボードの間に挟み込む
それぞれ32mm~57mmの隙間に取り付け可能(57mm以上の場合はベースを重ねて対応)

電気的仕様

不平衡出力ハイインピーダンスのアンプで受けることを推奨
センサー部周波数特性: 10Hz~10KHz(10M OHM終端±3dB)
最大出力電圧: 2Vp-p

出力ケーブル

ケーブル長さ: 2m
出力プラグ: 1/4”(6.35mm)フォンプラグ

本仕様は断り無く変更することがあります。